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牛肉

『牛の個体識別番号』 検索すると牛の履歴がわかります

牛 個体識別番号

牛 個体識別番号

スーパーの精肉コーナーに並んでいる牛肉のパッケージをよくみると、商品名や値段などが表示してあるラベルに「個体識別番号」という小さな10桁の番号が印字されています。

個体識別番号は牛1頭ずつに割り当てられた番号で、どこで生まれてどこで育てられた牛なのかなど、その牛肉の生産履歴を確認することができる番号です。

生産履歴は「家畜改良センター」などの検索ホームページに個体識別番号を入力することで確認できます。

1. 牛の個体識別の情報管理の法律は何のための法律?

2002年9月に日本で初めてBSE(牛海綿状脳症)が発生したのをきっかけに、BSEの蔓延防止と消費者の信頼確保のために、2003年6月に『牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法』が公布されました。

2003年12月に先ず、生産からと畜までの生産業者を対象に施行され、翌年の12月からは、流通履歴の管理を目的として牛肉を販売する業者なども対象となりました。

これによって牛肉を扱うお店などでは個体識別番号もしくはロット番号を表示することが義務づけられています。

2. 牛のトレイサビリティって何?

『牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法』は、別名『牛肉トレイサビリティ法』とも呼ばれています。

“trace(トレイス)” には“追跡する”という意味があり、“ability(アビリティ)”には“できること”という意味がありますが、“トレイサビリティ”は“追跡できること”という意味になります。

「牛のトレイサビリティ」というのはつまり、牛が生まれてからお肉としてお店で売られるまで、どこでどのように扱われてきたかなど、その牛に関する過去の情報を追跡して知ることができる仕組みです。

10桁の個体識別番号は国内で生まれた牛に耳標としてつけられます。そして、牛が生まれてから飼育、加工、流通、小売りされるまでのデータが、この個体識別番号という10桁の数字で一元管理されることになります。

個体識別番号を確認すれば、その牛肉がどこで生まれ育った牛のお肉で、どのような流通経路をたどってきたかなどの記録をみることができるのです。

生産や流通経路が透明化されることで、私たちが安心して牛肉を消費することができる以外にも、食品事故などが発生した場合などには原因究明や商品回収などに素早く対応することもできるようになったそうです。

3. 牛の個体識別番号とロット番号の違いは?

ラベル表示をみていると商品によっては表示してある数字が個体識別番号ではなく、ロット番号となっている場合があります。

個体識別番号というのは各牛の個体ごとにつけられている番号ですが、ロット番号は複数の個体識別番号をまとめて管理している番号になります。

ロット番号は多くの場合、複数の個体識別番号の肉を使用した商品などにつけられています。ロット番号を検索するとその商品に使用されているすべての牛の個体識別番号が表示されます。表示された個体識別番号をさらに検索することでそれぞれの牛の生育履歴を確認することができます。

4. 牛の個体識別番号が同じでも産地表示が違うことがある?

飼育地が複数ある場合、基本的には最も長い期間飼育されていた飼育地が主たる飼育地として販売ラベルに表示されることになっていますが、同じ個体識別番号の牛肉でも異なる産地表示で販売されている場合があるようです。

このような場合、個体識別番号で検索すると産地表示されているどちらの県でも飼育履歴があることがわかります。例えば、出生地が佐賀県で、佐賀県内のふたつの牛舎でそれぞれ6か月ずつ飼育され、その後宮崎県のひとつの牛舎で8か月飼育されたとします。

牛舎単位でみると最も長い期間飼育されていたのは宮崎県の牛舎ですが、県単位でみるとふたつの牛舎を合わせて計12か月となる佐賀県になります。

このような解釈の違いなどから表示される産地が違ってくる場合があるようです。

5. 切り落とし肉には牛の個体識別番号がない?

牛肉でも切り落とし肉やこま切れ肉、ひき肉には個体識別番号を表示する義務がありません。

ロース肉やバラ肉などといったものは通常ひとつの個体の肉がスライスされて売られているのに対して、切り落とし肉にはいろいろな個体の肉の切れ端が集められていたりします。

複数の個体から集めた肉である切り落とし肉などの場合には、たくさんの個体識別番号を表示する必要がでてきます。

仮に使用されているすべての牛肉の個体識別番号を表示したとしても、パック詰めなど小分けする際にどの個体識別番号の肉がどれだけの割合で入っているかもわかりませんし、使用されているすべての個体識別番号の肉がそのパックに入っているとも限りません。

それでも、個体識別番号の表示があれば不安な肉が混ざっていないかどうかの参考にはなります。消費者としてはいろいろな肉が混ぜられているからこそ内容を確認したいと思うのですが。

中には切り落とし肉などでも個体識別番号が表示されているものもあるので、確実に安心できるものをと思う場合には、個体識別番号の表示があるものを選んで買うようにするとよいかもしれません。

おわりに

スーパーなどで買いものをするとき、肉でも魚でも野菜でも、いちばん気になるのは産地です。お肉の場合は産地が表示されていても、出生場所が産地とは限らなかったり、飼育地も複数の場所を転々としていたりします。

できる限り安全なものを口にしたいと思うとき、個体識別番号を利用してその牛の生産履歴が確認できれば、食事もより安心して楽しむことができるでしょう。

お肉の生産に関わった方々や命にも感謝して、いただきたいと思います。